十二月の随想


黒門の堀 晩秋(千秋公園)




 アーナンダ(阿難)が、ウダヤナ王の妃、シャマヴァティーから、五百着の衣を供養されたとき、アーナンダはこれを快く受け入れた。

 王はこれを聞いて、あるいはアーナンダが貪りの心から受けたのではあるまいかと疑った。王はアーナンダを訪ねて聞いた。

「世尊は、五百着の衣を一度に受けてどうしますか。」

 アーナンダは答えた。「大王よ、多くの比丘は破れた衣を着ているので、彼らにこの衣を分けてあげます。」「それでは破れた衣はどうしますか。」「破れた衣で敷布を作ります。」「古い敷布は。」「枕の袋に。」「古い枕の袋は。」「床の敷物に使います。」「古い敷物は。」「足ふきを作ります。」「古い足ふきはどうしますか。」「雑巾にします。」「古い雑巾は。」「大王よ、私どもはその雑巾を細々に裂き、泥に合わせて、家を造るとき、壁の中に入れます。」

 ものは大切に使わなければならない。生かして使わなければならない。これが「わがもの」でない、「預かりもの」の用い方である。


仏教聖典〈生活の指針・家庭のしあわせ〉より


千秋公園〜黒門の堀〜 毎年小さな堀であるが、モミジの紅葉が楽しみ! 偶然 カルガモが色とりどりの水面に映える秋色に幸せそう・・・。


月の初めには、新たな絵を更新してまいります。 住職   合掌