龍口法難


片瀬龍の口で斬首刑

 日蓮聖人は、はだか馬に乗せられ、江ノ島片瀬(えのしま・かたせ)龍の口(たつのくち)刑場へと引かれていったのです。
 途中、鶴ヶ岡八幡宮にさしかかったとき、日蓮聖人は大声で「八幡大菩薩はまことの神か・・・」と、法華経の行者を守る役目を果たすよう叱りつけました。
 源氏の氏神を叱りつけたのですから、役人はびっくりして、あわてて馬を引き立てました。
 知らせを聞いた信者の四条金吾(しじょうきんご)さんは、一緒に死ぬ覚悟で駆けつけ、いよいよ首を斬ろうと、役人が刀をかまえたとたん、江ノ島の方角から不思議な光の玉が飛んできて、役人は驚いて逃げ去り、処刑どころではありません。
 「日蓮の首斬れません」という早馬が鎌倉に向かい、鎌倉からは「日蓮の首斬るな」との連絡が、小さな川で行き合い、その川は「行合川」(ゆきあいがわ)と呼ばれています。

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召し取り 絵で読む日蓮聖人のご生涯 佐渡塚原三昧堂
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